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つい口が・・・

今日、僕の携帯に届いた迷惑メールを片っ端から『着信拒否』の設定をして、今その数を確認してみたら、9件もありました。
もうこのアドレスを使い続けるのは不可能です。
よって今この瞬間より、アドレスを変更致します。

以前の僕のアドレスの『@』の前に、『x(エックス)』を一つ入れてください。
それが僕の、新しい携帯アドレスですから。

以上、お知らせでした。


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仕事でどうしても解らない箇所があり、それを設計した、とある2級建築士の方に電話をする事になりました。

まずは書類に書かれた、その方のオフィスらしき番号に電話をします。
すると出て来たのは、40代から50代くらいと思われる、女性の声。きっとこの会社の事務員なのだろうと思いました。

「crystalgemと申しますが、○○さんはいらっしゃいますか?」

僕がそう言うと、電話の向こう、何やら妙な反応です。
簡単に説明すると、『○○ですが・・・えーと、どちら様で?』みたいな。
不思議に思い、念のため「そちら、○○さんの会社では無いのですか?」と尋ねると、返って来た答えは、「自宅です」。

成る程、何かおかしいと思っていたら、自宅だったのですね。
という事は、電話に出たのは、○○さんの奥さんなのでしょう。
きっとこういった仕事の電話に慣れていないので、戸惑ってしまったのでしょうね。

奥さんと話をしていても仕方が無いので、○○さんの携帯番号を聞き、電話を切ります。
そして今度は、その携帯番号をプッシュ。数回のコールの後、受話器から男性の声が聞こえて来ました。

「crystalgemと申しますが、2級建築士の○○さんですか?」

念のためそう尋ねます。
すると、今度はちゃんと「はい、○○です」の返事。ほっと胸を撫で下ろしました。

ようやく本人と繋がったところで、いよいよ仕事の話です。
パソコンのディスプレイにCADを立ち上げ、図面を拡大します。そして、こちらが聞きたい箇所について、なるべく丁寧に説明しました。
何しろ、僕は図面を観ながら話をしていますが、向こうはそれが無いのですからね。
幾らこの建物を設計した本人でも、図面も観ないで質問に答えるのは、難しいでしょうから。

「・・・の部分が良く解らないので、教えて欲しいのですが」

僕の出来る精一杯の丁寧な表現で、その質問を繰り出しました。
かなり神経を使って、解りやすく説明したつもりでしたので、当然即答されるだろうと思っていました。
が、残念ながら僕の説明はなかなか向こうに伝わらない様子で、○○さんはモジモジと妙な態度を繰り返すばかりでした。

かなり解りやすく説明しているつもりだけど・・・一体どうしたら、僕の言葉を電話で伝える事が出来るのだろう?

そんな事を悩みつつ、言葉を続けて行きます。
しかし、やはり伝わらない。電話の向こう、○○さんの困り切った顔が目に浮かぶ様でした。

・・・どうしたら良いのだろう?(悩)

幾ら話しても伝わらず、本気で困り果ててしまいました。

ここは一旦電話を切って、○○さんが会社に帰った後、図面を観て貰った方が早いだろうか?
しかし急いでいるし、○○さんが帰社するまで待っていたら、何時になるか解らないし。
かと言って、このまま電話を続けても、話は進展しそうに無いし・・・。

僕が悩んでいると、突然、○○さんが『あの・・・実は・・・』と、口を開いたのです。
「はい、何でしょう?」すぐに聞き返します。
すると○○さん、本当に申し訳なさそうな声で、

『実はあの設計をしたの、私じゃ無いんですよ。××設計事務所に頼まれて、2級建築士の肩書きをお貸ししただけなんです』

それを聞き、ようやく謎が解けました。

ええ、僕は素人でも解るくらい、簡単な表現で質問をしました。
なのに、この設計を担当した○○さんが、全くその言葉を理解しない。
理由は簡単。○○さんは、この建物の図面すら観た事が無かったのですよ。

思わず僕は、笑って、


「な~んだ、名義貸しだったんですか~(笑)


僕がそう言った瞬間、○○さん、慌てた様子で。

『なっ、ちっ、違いまっ! あ、いえ、私は名前を貸しただけで・・・いえ、あの、名前を、あの・・・(汗)』

思わず、しまった! と口に手を当てます。
そしてすかさず、

「では、これを設計した人に連絡して、僕のところに電話する様に頼んで貰えませんか? 急いでいるもので、申し訳ありませんが」

そう言って、すぐに電話を切りました。
ふっ、と息を吐き、デスクの上のコーヒーを口に運びます。そして再び深呼吸、気持ちを落ち着かせました。



建築士に向かって、絶対に言ってはいけない言葉があります。
その代表的なものが、「名義貸し」です。

何しろ姉歯の一件以来、皆この言葉に敏感になっていますからね(汗)。
by crystalgem | 2006-08-10 23:41
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