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黒い軍団

来週の月曜日(ドナー検査の日)、結局一日休暇を取る事にしました。
重要な打ち合わせや会議が沢山入って来たので、中途半端に『午後から休暇』というのが難しくなって来たからです。
理由は、法事とか適当に。勿論いい顔はされませんでしたが、まあ、どうにかなるでしょう。

そしてそんな今日、5年以上連絡を取っていなかった、僕の親から電話が来ました。
あまりにもウザかったのですぐに切って、携帯の電源もOFFにしました。
ま、それもいいでしょう。先の事は解りませんが、今は自分の思う事をするのみです。

僕は三十代独身男、失うものは何も無い。
自分の信じる道だけを、ただ真っ直ぐに歩いて行くだけなのですから。(←今日は何か暗いオープニングだね)


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えーと、昨日の記事でもちょっとだけ書きましたが、昨夜我が家にとんでも無い危機が訪れました。
きっと勘の良い人ならば、僕の身に何が起きたのか薄々感づいているでしょうね。
ええ、そうです。昨夜我が家は、奴らの襲撃を受けてしまったのですよ(泣)。

順序立ててお話しましょう。
これは昨夜、いつもの残業から帰宅し、料理を作ろうと台所に立ったときの話です。


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台所に立ち、包丁とまな板をそこに置きました。
冷蔵庫から野菜を取り出し、その上に。
フライパンをガスコンロの上に載せ、火を付けます。サラダ油を大さじ1ほど入れ、全体に広がる様に、大きくフライパンを回しました。

と、そのときです。
目の前を、小さな黒い点が横切ったのですよ。

気のせいか?

最初僕は、それが目の錯覚なのだろうと思いました。
何しろそれは物体と呼ぶにはあまりにも小さく、そしてあり得ないほど速かったからです。

しかしその黒い点は、再び僕の顔の前を通り過ぎると、その先にある壁にぶつかったのです。
黒い点を目で追っていた僕は、壁に留まるその姿に、ようやくソレの正体に気づきました。

壁に留まる黒い点。それは体長1㎜にも満たない、とってもとっても小さな羽虫だったのです。

その羽虫の名前は知りませんが、喩えるならば、『もの凄く小さな蝿』でしょうか。
それは所謂『コバエ』ではありません。それよりもずっと小さく、しかも素早いのです。
じっと目を凝らすと、黒い体に透明な羽が生えているのが見えました。
そしてその羽虫は、一瞬壁に留まったかと思うと、その付近を忙しなく跳ね回り、再び中空へと飛び立ちました。

・・・しまった、取り逃がした!(慌)

その羽虫のあまりのスピードに呆然としていた僕は、僕にとって最大の敵である『昆虫』の退治を忘れ、そのまま逃がしてしまったのです。
急ぎその行方を捜しますが、体長1㎜にも満たない羽虫に目が追いつく筈も無く、一瞬にして見失ってしまいました。

ま、いいか。

いつもならば、家の中に虫がいると知っただけで、気になって夜も眠れなくなる僕です。
しかし昨夜はさほど気にせず、すぐに手料理に戻りました。
ええ、その羽虫があまりにも小さかったせいか、放置しておけば勝手に死ぬだろうと思ったのですよ。

再びフライパンを手に、玉葱とピーマンを投入し、軽く煽ります。
と、何気なく視線を向けた台所の流し台。ピカピカ光る銀色のシンクの上、細かく跳ねる二つの黒い点が目に入りました。
瞬間、背筋に冷たい電気が流れます。

黒い点が二つ。黒い点が、二つ。二つ、二つ、二つ、二つ・・・。

一つでは無く、二つ。
この広いスペースに、同じ場所に存在する二つの黒い点。それの意味する事とは・・・。

僕の脳内コンピューターが、その二つの黒い点から『最悪の結論』を導き出したのは、点を目撃してから僅か二秒後の事。
慌てて振り返り、そこにあった『燃えるゴミ』の袋を持ち上げると、急ぎそれを玄関へと運び出しました。
そしてすぐに台所へと戻り、ゴミ袋が置いてあったフローリングに視線を向けます。

その光景に、思わず気を失いそうになりました。ええ、そうです。その床には何と・・・。


何十匹という小さな羽虫が蠢いていたのですよっ!!!!!(絶叫)


今にも消えそうな意識をしっかりと保ち、すぐに隣室に飛び込むと、そこにあった掃除機を手に再び台所へ。
コンセントを繋ぐと、スイッチをフルパワーにして、その床に向けました。
最大吸引力により、次々と吸い込まれて行く羽虫の群。しかしその轟音に怯えた約半数の羽虫達は、自由を求め台所の中空へと飛び立ち始めました。

くっ、逃がしてなるものかっ!(怒)

急ぎ掃除機のT字形吸引口を取り外し、筒口を空中に向けます。
しかし何しろ速い羽虫達、空中こそが我が支配圏とばかりに飛び回り、あっという間に姿を眩ましてしまいました。
きっとどこかの壁に張り付いている筈。そう予想して周囲を見渡しますが、それにより退治できたのはほんの数匹のみ、後は全て行方不明です。

・・・まずいな(汗)。

奴らを取り逃がすという事は、再びの大繁殖を許すという事。
今ここで奴らを撲滅しなければ、僕の家は昆虫天国になってしまうのですよ!(泣)

急ぎ対策を考えます。まずは原因の追及、どうしてこんな事態になってしまったのか。

奴らがやって来たのは、恐らく台所の窓からです。
夏場ずっと網戸にしてありましたので、その網の目を通り抜けて来たのでしょう。それくらいに奴らは小さいのです。
そして台所の窓の外は、隣の家の畑になっています。そこで生活していた数匹が、僕の家へと侵入し、ゴミ袋の下で繁殖したのに違いありません。

では、どうやって繁殖したのか?

僕は料理のときに発生した生ゴミは、全てレジ袋できっちりと密閉してからゴミ袋に入れる様にしていました。
ええ、害虫の発生防止の為です。なので普通に考えれば、そこに羽虫が入って行ける筈は無いのですよ。
しかし羽虫は増殖していた。ゴミ袋の下で、尋常ならざる数の軍団となって・・・。

どんな生き物であれ、栄養無しで増殖する事など不可能ですから、何かしらの食物をそこから得ていた筈です。
という事は、やはりゴミ袋の中から、何らかの栄養を得ていたのでしょう。
しかし、あれほどしっかりと密閉していた袋の中から、一体どうやって食料を取り出したというのか???

結局そのときは、羽虫の大量発生の原因は良く解りませんでした。
何故奴らが繁殖したのが『ゴミ袋の中』では無く、『ゴミ袋の下』だったのかも解らない点です。
が、原因がどうであれ、このまま放置しておく訳には行きません。取り返しのつかない事態になる前に、手を打っておかなければならないのですから。

では、どうやって対処したら良いか?

まずは、奴らの栄養補給源を絶つ事です。どんな生き物であれ、食料無しでは生きて行けませんからね。
今回の増殖の原因がゴミ袋の中の生ゴミにあるのなら、今後はゴミを出さない事。
つまりこれから暫くの間、生ゴミが出る様な手料理をしなければ良いのです。

後は、奴らの生活の場を無くす事。
台所が奴らのテリトリーならば、奴らが隠れられる様な『隙間』を全て無くす事です。
奴らはゴミ袋の下にいましたので、きっとそうした『物の下』や『隙間』が好きなのでしょう。例えば台所に置いてある袋とか、箱とか・・・。

と、そこで気づきました。僕が台所の床に置いていた物と言えば・・・。

・燃えるゴミのゴミ袋
・燃えないゴミのゴミ袋
・ワインやビールや日本酒の瓶
・洗って乾燥させた発泡スチロールトレイ
・洗って乾燥させた牛乳紙パック
・野菜保存用の段ボール箱

ピンと来ました。


野菜保存用の段ボール箱・・・・・・奴らは、その中にいる!!!


そう確信した僕は、急ぎ隣室へ。そこにあった空の段ボールを手にすると、すぐに台所へと向かいました。
そして、野菜保存用の段ボール箱の中にあった物を、羽虫が付いていないのを確認しながら、一つずつ新しい段ボール箱の中へ。
全ての中身を移し替えた新しい段ボール箱は、野菜類を入れたまま、台所から最も遠い隣室の奥の方へと移動させました。

空っぽになった野菜保存用の段ボール箱。その内部へ掃除機の筒先を向けると、中にいた羽虫達を一挙に吸い込みます。
次に段ボール箱を傾け、下に隠れていた羽虫達を一斉駆除。
そうして、すっかり綺麗になった段ボール箱。見た目は空っぽですが、しかしこの内部こそが、奴らの本拠地なのですよ。

僕が思うに、奴らが増殖していたのは、この段ボール箱の『紙』の中。
二層構造になった段ボールの紙の、その隙間の中に奴らは侵入し、そこで増殖していたのですよ。
栄養源は、箱の下に僅かに降り積もった、野菜の屑。水分は、真横にあったゴミ袋や、台所仕事で飛沫した水滴から得ていたのでしょう。

ならば中身を移し替え、空になったこの段ボール箱を水気の無い場所に移してしまえば、仮に羽化したとしても乾燥により死に絶える筈。
僕がわざわざ段ボール箱の中身を移し替えたのは、そう考えたのが理由です。

後は、羽虫の温床となっている『野菜保存用の段ボール箱』を、乾燥した場所に移し替えるだけ。
そう思いながら箱を持ち上げ、向かった先は我が家の玄関です。
もしも残党が羽化したとしても、そこは水も食料も無い乾燥地帯。暗闇の中、彼らは飢餓と乾燥により、その短い一生を終える筈です。

仮に生き残って居間に入って来たとしても、増殖する場所など、もうどこにも残っていません。
台所の段ボール箱は既に撤去され、そこにあるのは瓶類だけですからね。
増殖に必要な『隙間』を失い、しかも徹底したゴミ管理により栄養源を絶たれた彼らの末路は、『絶滅』以外にはあり得ないのです。



こうして突如として勃発した昆虫戦争。それがこのまま静かに終わってくれる事を、今僕は、心の底から祈っています。






本日のメニューは「ミートソースペンネ」です。



【所要時間】
・15分

【材料】
・ペンネ(100g)
・バター(大さじ1)
・以前作って冷凍してあったミートソース(150gくらい?)
・粉パセリ(適当)
・ハバネロソース(お好みで)
・パルメザンチーズ(お好みで)

【作り方】
・ペンネを茹でてバターで炒めてミートソースとパセリをかけて更に炒めたら皿に盛りつけ、お好みでトッピングしたら、完成です♪



という訳で、完成したのがこちら。
黒い軍団_d0044012_2249364.jpg
乾燥パスタに冷凍ミートソース。勿論そこからは生ゴミなど出ません。
今後暫くの間(たぶん10日くらい?)、こうして生ゴミが出ない生活を続ければ、きっと奴らを滅ぼす事が出来るでしょう。

今も羽虫の残党が、所々にその姿を見せ、僕の周囲を飛び交っています。
しかしそれも、せいぜい10日。それを乗り越えれば、きっと元の穏やかな生活が戻って来るに違いありません。

それまでの間・・・ガンバレ、僕!(気合!)
by crystalgem | 2006-09-08 22:51
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