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精神勝負

最近、目覚まし時計に勝てません。

以前は、必ずベルが鳴る前に起きていたのですが、最近やられっぱなしです(汗)。
とりあえず、明日は勝ちます。はい、午前5時前に自力で起きてやりますとも!(気合い!)


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強くなろう。

先日そう決心したものの、実際言葉にする程、自分を変える事は容易ではありません。
正直何をすれば強くなれるのか、あまりにも漠然としたテーマである為、その解決方法が全く解らなかったのです。

どうすれば強くなれるのだろう? ・・・悩むものの、その為の妙案は、何も思い浮かびませんでした。

そして今朝の事です。
いつも通り仕事をしていると、そこに一本の電話が入りました。話を聞くと、どうやら、至急処理して欲しい仕事があるそうなのです。
内容はかなり厄介なもので、制限時間はたったの三時間しかありませんでした。


チャンスだ!


理由も無く、そう思いました。

通常では到底出来る筈の無い、無理な注文。しかしそれをこなす事が出来れば、少しだけ自分が強くなる事が出来るのでは無いか、そう思ったのです。
その仕事を始める前、まずはどうしたら最短距離を行けるか考えました。

じっと目を瞑り、考えます。
普通にやれば二日はかかる仕事、それをどうしたら三時間で処理する事が出来るのか。
勿論、まともにやっていては間に合いませんので、少々非合法な事も考えます。そして、どうにかその方法を考えつき、目を開きました。

と、その時です。視界の隅、デスクの抽斗の下の方に、何やら動くものが見えました。

何だろう?

気のせいかとも思ったのですが、何気なくそちらに視線を向けました。
そしてそれを見た瞬間、背筋に寒気が走りました。

何と、そこにいたのは、一匹の蜘蛛!

その蜘蛛は、デスクの一番下の抽斗の扉にへばりつき、静止していました。
それは、僕の気持ちのせいか、心持ちこちらを見ている様にも見えたのです。
デスクの横に置いてあったティッシュを使い、捻り潰してやろうかと思いましたが、その時、またこんな事を考えてしまいました。


昆虫嫌いを克服する事が出来れば、また少し強くなれるのでは?


まあ、正確に言えば蜘蛛は昆虫ではありませんが、虫の仲間みたいなものです。
はい、僕的には、目の前で蠢くものがいるとすれば、それは即ち虫なのですよ。
大嫌いな昆虫・・・と言うか、何かの虫ぽいもの。それが、僕のデスクの横にいたのです。

が、それをあえて放置する。それによって、僕自身が強くなれるのでは無いかと思ったのです。
このアイディアが正解か間違いかは解りませんが、とりあえずその蜘蛛を、放置してみる事にしました。

PCのキーボードを叩きながらも、横目で蜘蛛の動向を観察します。
蜘蛛は先ほどと位置を変えず、じっとその場に留まっていました。一匹の蜘蛛と、急ぎの仕事を続ける僕。静かで、それでいて激しい、メンタルな戦いが続きます。
いつの間にか『先に動いた方が負けだ』、そんな気持ちになっていました。

「ハンコ貰えますか?」

そう言って、いきなり沈黙を破って現れたのは僕の同僚。一瞬動揺しながらも、平静を装います。そして一番上の抽斗を開け、印鑑を取り出しました。
しっかりと書類に印を押し、その印鑑を抽斗に戻します。そして抽斗を閉めると・・・。

・・・いない?

ほんの少し目を離した隙、一番上の抽斗を開けて死角が出来た隙に、その一匹の蜘蛛は姿を消していたのです。
先に動いた方が負け。その理屈で行けば、この勝負は僕の勝ちなのですが・・・。
この場合、問題は、そんな事ではありません。

一番重要なのは、その蜘蛛がどこに消えたか、という事なのです。

デスクの抽斗にくっついていたのですから、この近くにいる事は間違い無いでしょう。
が、その姿が見えない。
勿論、すぐに席を立ち上がり、その姿を探しました。が、どこを探しても、蜘蛛を見つける事が出来なかったのです。

その姿を見ながらも、そこにいる事が解っていたので、ここまではどうにかその存在を耐えられていました。
もしもその蜘蛛が僕の方向に動けば、その瞬間に逃げればいいだけの話でしたから。
が、こうして姿を消されてしまうと、どこにいるのか気になって仕方の無いものです。
これも精神修行なのだと自分に言い聞かせ、どうにか耐え抜いたものの、仕事中、本当はその蜘蛛が気になって気になって仕方が無くて・・・(汗)。

まあ結局、その蜘蛛が勤務中に再び現れる事はありませんでしたが・・・。



強くなろうと決心してから、まだほんの数日・・・先は長いですね(汗)。
次にこんな状況になった時には、例え目の前から虫が消えたとしても、平静でいられる精神を身につけたいものです。
by crystalgem | 2005-11-14 23:07
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