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きみ

映画「Mr.Boo」の全5作品がDVDになるそうです。
この映画、子供の頃、父親に連れられて映画館に観に行きました。
大人向けのコメディーなんですが、子供でも充分に笑えるんですよね、これ。
懐かしいな~(笑)


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田舎道を走っていると、そこに一つの看板を見付けました。
そこには、こんな文字が。

「ゆできび」

北海道では、夏場、田舎道を走っていると、当たり前の様に見掛ける看板です。
でもきっと本州の人には、この看板の文字、何の事だかさっぱりわからないでしょうね。

答から先に言うと、実はこれ、「茹でトウモロコシ」の事です。
要は、「この先で茹でたトウモロコシを売っていますよ」という宣伝看板なんです。

北海道弁で、トウモロコシの事を「トウキビ」と言います。
どうしてか、理由は知りませんが・・・実はトウモロコシって、キビの仲間なんでしょうかね?
まあ語源はともかくとして、茹でた「トウキビ」だから「ゆできび」、解り易いですね(笑)。

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もう、十年近くも前の話になりますが・・・北海道の、ある観光地を歩いていた時のこと。
ふと見た商店の軒下に、こんな紙がぶら下がっているのを見付けました。
それは真っ白い紙に、たった一言だけ、こう書かれていたのです。

『きみ』

・・・きみ?
きみって、「君」? ・・・ってか、何? どういう意味ですか、それ?!

商店の軒下のぶら下げられた一枚の紙。そして、そこに大きく書かれた「きみ」という文字。
書かれた意味が解らず、暫く眺めていました。
「ちょっとそこの君~、寄って行かない?」という意味なのか、それとも全く別の意味が込められているのか。

暫く考えましたが、結局その文字の意味がわからず、周囲を見渡しました。
すると、他の店に、「とうきみ」と書かれた看板が。

とうきみ?・・・え、ひょっとしてこれって、トウキビ(トウモロコシ)の事?!

先ほどの店を振り返ります。すると、「きみ」と書かれた紙の下、確かにトウキビが売られていました。
この地方の事は良く解りませんが、きっとここでは、トウキビの事を「とうきみ」と言うのでしょうね。
そして、更にその略称を「きみ」と言うのでしょう。

それにしても・・・同じ北海道出身の僕でも解らない方言を、こんな観光地で使っていいものなんでしょうかね?
こんな意味不明な文字を下げていても、お客さんなんて来ないでしょうに。

そう思っていると、格好と雰囲気からして、いかにも本州から来たらしい観光客が。

「焼ききみ下さ~い!」
「あたしは茹できみ~!」

あんたら、本気で「きみ」を解って注文してるのか?!

道民の僕ですら、理解するのに数分を要したこの文字を、本州の人達が理解出来る筈が無い。
そう思いました。
が、店のおばさんからトウキビを手渡された観光客達は、満面の笑みです。

・・・どうやら僕よりも、本州の観光客の方が、北海道の「極一部」の方言に精通していたみたいです(汗)。



本州の奴らに負けた・・・。
奇妙な敗北感に打ちひしがれた瞬間でした。
by crystalgem | 2005-08-26 23:24
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