気象庁のHPを観ると、どうやら台風は無事に逸れてくれた様子。
でも台風が逸れたからといって、そんなに簡単に青空が見える筈も無く、外は生憎の曇り空・・・。 明日は曇り後晴れの予報です。太陽が見られるかな? ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ もしも昨日の僕が冷静だったなら、きっとこの話題をブログに載せていたでしょう。 これは昨日の昼間、仕事で外を歩いていた時の出来事です。 --- 昨日の昼過ぎ、仕事で外回りをしていていた時のこと。 視線の先、何か不格好な虫がひっくり返っているのが見えました。 何だろう、あれ? 遠目で見ると、まるで角の無いカブトムシの様ですが、その形があまりにも丸い。・・・と言うか、丸すぎる。 虫嫌いの僕ですが、何となく興味を惹かれ、その虫に近づいてみました。 しゃがみ込んで見てみると、何とそれはセミの幼虫! きっと成虫になる為に、地中から出てきたのですね。 しかし可哀想な事にそのセミの幼虫、地中から出て来た途端にアリに襲われてしまった様子。群がるアリに藻掻きながら、バタバタと足を動かしていました。 皆さんもご存じの通り、セミは地中で数年間も過ごし、成虫になってもたった一週間で死んでしまう可哀想な虫です。 ほんの少しですが、僕はそのセミに同情の念を抱きました。 ちょっと話がずれますが、これは松尾芭蕉の俳句。 「閑さや 岩にしみいる 蝉の声」 この歌の通り、セミは俳句の世界でも、儚さの象徴とされています。 目の前に転がり藻掻く一匹のセミ。 暗い地中生活を終え、ようやく陽の当たる場所に出て来られたというのに、気の毒としか言いようがありません。 もしもそれを人に喩えるなら、長い刑務所暮らしを終え、ようやくシャバに出て来た瞬間に車に轢かれて死んでしまう様なもの。 若しくは、フルマラソンを走り抜き、テープ目前で力尽きてしまう様なものでしょうか。 ・・・可哀想だな。 そう思いましたが、これが自然の摂理なのですから、仕方がありません。 セミも生きるのに必死ですが、同様にアリも必死なのです。 捕食する者、される者、そのどちらが悪い訳でもありません。弱肉強食・・・残酷ですが、これが自然界における「絶対の法則」なのです。 しかし我々人間は、こんな場面に直面した時、どちらかと言えばセミの方を応援したくなりますよね? 暗い地中で数年間を過ごし、ようやく太陽の眩しさを知る事が出来たセミ。 そのセミが、たった一週間という短い青春を過ごす事が出来る様、応援したくなるものです。 目の前でアリに襲われているセミ。今にも消え去りそうな、その小さな命。 もしかしたら・・・今このアリを払いのけてやり、そっと木に移してあげれば、無事に羽化出来るんじゃ無いのか? その短い青春を、謳歌する事が出来るんじゃ無いのか? ほんの一瞬ですが、そんな事を考えました。 しかし僕は、それをしようとはしませんでした。 ・・・。 目の前で消えようとしている、小さな命。 あの時それを救えたのは、僕だけだったのかもしれない。 でもそれは決して、してはいけない事。自然界のシステムを狂わす、邪悪なる偽善。 もしもそれをしても、そこに残るのは人間のつまらない感情だけ。アリの気持ちなど微塵も思わない、人間のエゴだけ・・・。 と言うよりも、正直に言えば、それは僕には絶対に出来ない行為だったのです。 それは、自然の摂理に反する事を恐れたからでも、アリに同情したからでもありません。 理由は、たった一つ・・・。 だって僕、虫嫌いだも~ん(笑)。 はい、正直触りたくないです、あんな物体! ・・・ごめんね、セミ。(←本当はちょっとだけ後悔している奴:笑)
by crystalgem
| 2005-07-27 22:32
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